2010年5月31日月曜日

写真

Design for London Portfolio/baby

2週間ほど前に、隣町でやっていた「星野道夫写真展」を見に行きました。
3年ほど前に、札幌でもやってましたね。
そのときは、ちょうど札幌に行く機会があったので、見に行きましたが、とにかくすごい人で、人の間を縫って見たという感じ。
今回は、田舎の公民館でやっていたので、人も少なく、落ち着いて見ることができました。

で、その時気づいたことを、少々。
今まで、写真というのは、カメラマンが切り取った物なり風景なりを、見せているものだと思っていました。
でも、逆に考えると、その時その場所で、カメラマンが見たものが、実際あったわけで、、、。
私たちは、写真を見ることによって、カメラマンの目を通して、瞬時にその時その場所にいられるということになる。ある意味、写真というのは、タイムマシーン+どこでもドアみたいなもんですね。

こんなふうに考えるのは、星野道夫の写真が、あまり余計な加工をせず(たぶん)、見たものを写し取っているからだと思います。
もちろん、写真の中には、それだけじゃなく、写真家の思いや感じたことなども、入ってはいるけど。
彼がシャッターを切った時、確かにそこには、対象物となった生命が、息づいていた。

写真というものの面白さや可能性を、また一つ見た気がしました。
写真が大きかったというのも、こんなふうに思った理由かも、、、。(う〜ん、結局、そういう単純な理由なのか?)


2010年5月29日土曜日

日本の美2

銅版画/etching

昨日のつづきで、また日本の美の話。
外国人にとって、日本の美術、芸術の中で、最も西洋とは違うと感じるのは、日本独特の空間美だと思うのです。
というわけで、このあいだの講義のときも、これについていろいろやりました。

例えば、水墨画。このあいだまで、展覧会が行われていたという、長谷川等伯の「松林図屏風」なんかは、典型的な例。
もっとも、あれは本人が屏風に直接描いたのではなく、ふすま絵だったのを後の人が張り合わせて作ったそうですが、そんなことは、どうでもいい。
あれが有名というだけで、どんなに日本人が、あの空間に魅せられているかということがわかります。

日本の芸術には、そういうものが多いですね。
全部を、表現して説明し尽くさない。ということは、見る側も、ある程度の想像力だの感性だのが必要になってくるわけです。
描かれていない空間には、何も無いわけじゃない。
抽象画を描く友人が、自分の絵について、「見る側も、作品に寄っていかなければならない。」と言っていましたが、日本の芸術はまさにそれ。

能舞台なんかも、そうですね。全ての演目を、あのシンプルな舞台でやってしまう。
観客は、その小さな舞台のうえに、広大な空間の広がりや宇宙を感じていくのです。

こういう感性が、身分の上下を問わずに浸透してるとこが、またすごい。

などということを、アメリカ人にわかってもらえるように説明するのが、もう大変。英語にならない日本語もあったりして、たぶん、伝わらなかったんじゃないかしら?
そもそも、言葉にして説明してしまうことが、もう本質から離れていってしまう。

というわけで、結局、最後は、「日本人は、理屈抜きで、これを美しいと思うのだ。」ということになりました。
でも、これが一番正しいんじゃないか?


2010年5月28日金曜日

日本の美

Original Design

気づいてみれば、このブログも2週間もさぼってました。
ここんとこ、気持ちに余裕がなくて、、、。

その原因の一つに、毎年、年1回やっている、大学での講義の準備。先日終わりましたけどね。(だから、こうやってブログも書ける。)
母校で、「日本の美」について、講義するのだが、相手が留学中のアメリカ人の学生。ということは、英語で講義をしなければならず、、、これまた、えらいプレッシャーでございます。

ところで、日本の美とは何か、、、?
いやぁ〜、調べれば調べるほど、深くて広い。
やればやるほど、収拾がつかなくなってしまいます。90分で、さわりだけでも、、、なんてとんでもない。
絵一つとっても、派手なのあり、地味なのあり、何もない空間美から、これでもかというくらい埋め尽くしたもの、、、いろいろ。

つくづく、日本という国、日本人はユニークだなあと感じます。
友人が、「個性的になんてならなくていい。日本人だっていうだけで、十分個性的。」と言っていたけど、ほんとにそのとおり。

特に、海外からの文化を、抵抗なく、時にはどん欲に取り入れ、平然としているのがすごい。
(そういや、黒船が来たあと、あっという間に自分たちで蒸気船を造りましたね。)

NYに住んでいた頃、ラテン系の人たちは、毎日毎日ラテン音楽だけを聴いていたし、中国系は、チャイニーズミュージック、白人の若者はロックと、それはそれはもうわかりやすいくらいに、アパートから聞こえてくる音楽で、だいたいどんな人が住んでいるのかが、わかったもんだ。
日本人は、時には、ジャズ、時にはロック、時には歌謡曲と、人によっても気分によっても聴く音楽が違う。
もう、なんでもあり。

とはいえ、取り入れたものを日本独自のものにしてしまうのも、日本人。
ヨーロッパから仕入れたコートレットという食べ物を、カツ丼にするなんざ、なかなかできることじゃありません。

何でも吸収してしまう柔軟さと、その底の方では自分独自のものを譲らない頑固さを合わせ持つのが日本人。
こんな国、他にないと思う。


2010年5月12日水曜日

春到来

Lily/etching

一昨日、天気がよかったので、近くの公園に、、、。
水芭蕉と、ニリンソウ、エゾエンゴサクが花盛りでした。ようやく、花の季節が始まったな〜。
桜は、つぼみがだいぶ膨らんでいたけれど、開花はまだ。今年は、じらすねえ、、、。
連休中だと、人がいっぱいで、それはそれで花を楽しむという感じでもなくなるのだが。
ここ2、3日、また寒くなったので、満開の桜はまだ先かも、、。

それにしても、寒い。5月も半ばになろうかというのに、今日の最低気温は、天気予報では−8℃。
ネコがベタベタとまとわりつくわけだわ。
とはいえ、灯油も値上がりしたことだし、ストーブをつける気はありません。
厚着して、なんとかしのいでます。




2010年5月5日水曜日

すでに、5月

Original Design/chairs

気がつけば、すでに5月。
世間のゴールデンウィークも、どこ吹く風の生活です。もう,終わっちゃったけど。

ここ、3、4日、ようやく気温も上がり、、、と言うか、いきなり上がっちゃって、暑いくらい。(北国の人間としては。)
水仙や、ツツジも咲き出しました。植物の方も、この暖かさで、あわてて活動開始したみたいです。桜は、まだだけど。

北海道は、1年の半分は冬なので、その冬を生き抜いた生き物たちは、春になると、一斉に活動を始めます。毎年ながら、感動ものだなあ。
本州では、桜が咲く前に咲く梅も、ここじゃ同時開花。下手すりゃ、桜に遅れをとることも、、、。

久々に、布団や、洗濯物を外で干せるようになって、やっぱり暖かくなるのはいいですね〜。
衣替えも、そろそろ終了。、、、というか、やっと、という感じ。